うちの子ショタがバッドエンド堕ちする話

そのまんまです。ショタです。
いいじゃないかそれでも。
ちなみに今回桶川さんのキャラを借りています。
つまりこの格好ななるというわけですね。うふふ

~ここまでのあらすじ~
公園に遊びに来たサンと健児は不思議な少年『蓮菜』に出会う。どこか陰のあるような蓮菜はしばらくうつむいていたが、突如として黒い色を吹き出し、変化を遂げる。
説得もむなしく黒い色を吹き出し、襲いかかる蓮菜。彼は色使いを襲撃するためにやってきたのだ!
「くそっ、どうしていつも狙ってくるんだよ!」
「色使いが珍しいって人の仕業かもしれない。とにかく応戦しないと」
「おうよ、くらえ!」
健児は緑の色を手から放つと、黒の色と混ざり合い、消滅する。
「どうやら打てば消えるみたいだな、なら連射だ!」
次々と色を打っては攻めていく健児に、蓮菜はかわしたり、色をぶつけ返したりして応戦していく。運動神経に自信のある健児だが、蓮菜も色で強化されているのか、なかなか素早い。
「もっとよく狙って、先回りするように」
「わかった、わかったから! くそうまどろっこしいなあ」
サンは攻撃に回れないため、健児の体力を回復させつつ指示を出しているが、どうもかみ合わない。
「……食らえ!」
蓮菜は両手から絵の具のチューブのようなモノを取り出し、握りつぶすと一気に色を噴射した。黒い濁流とも言える色の塊が、2人を飲み込もうとする!
「まずっ、ならこっちもだ!」
健児も負けじと色を放つと、色の濁流はまるで木にぶつかったかのように2つに分かれ、流れていく。あたりの草が枯れ、花がしおれていく力は、サンから見ても脅威だった。
やがて黒の濁流が収まりを見せはじめ、健児が一気に体力を振り絞り始めた。
「これで、決まりだ!」
ドン、と放出された緑の色は蓮菜をあっけなく飲み込み、地に転がす。「な、ナイスだよケン君」
「だろ? ちょっと疲れたけどな……」
一時は危機的状況だったとはいえ、終わってみればあっけないモノだった。そう思っていたのだ。
だが、木ががさがさと揺れ、何者かが飛び出したとき、事態は急変した。蓮菜と似た格好をした青と黄色の少年が、飛びかかってきたのだ。
「……!」
「……」
「まずい、健児さっきのは」
「ちょっと待てすぐには出ない」
その手には先ほどの絵の具チューブが握られていて、2人同時に握りつぶし、解き放つ。
黒い濁流が、今度は2条。しかも囲い込むように放出され、あっという間に2人を飲み込み、覆い隠してしまった。
「うぅぅぅ!?」
「なんだこれ、ただの色じゃない……まるで、イロクイの……」
「こころが、まっくろになってく、うああああっ」
飲み込まれた健児とサンは、色の濁流に呑み込まれながら違和感を感じていた。まるでイロクイに浸食されるかのような不快感に、肌を包み込むような違和感。何より心が真っ黒に感光し、悪意に対する抵抗感が、薄れていく。
「だめだ、耐えないと……」
「もう疲れて、無理……」
「そんな……」
次第に黒の濁流は2人を包み込むように収斂し、ネバネバとした黒い塊に変化していく。
「そろそろかな」
「そろそろだろうね」
赤と青の少年が様子を観察していると、中から破ろうとするかのように手が浮き出し、そのままグチャリと膜が破れた。
「……ふふふ」
「へへへ、何かと思ったら、なんだか気分がすーっとするじゃん」
中から現れたのは、蓮菜と同じ格好をしたサンと健児の姿だった。健康的な肌は黒いラバーで覆われ、足にはハイヒール、黒い羽根飾りはまがまがしく、健児は緑、サンはオレンジのレースの装いを羽織っていた。
「でも、この格好は少し、恥ずかしいぞ……」
「でも、この格好も……と、そうだ」
カツ、カツと土にヒールの跡を残しつつ、うずくまっている蓮菜二手を当てる。
「今、治しますからね。負け犬さん」
サンから放たれる濁ったオレンジ色は、たちどころに蓮菜を蝕んでいた緑色を塗りつぶし、癒やしていく。
「……いいや、弱いのはおまえらだ。作戦にまんまとはまったのだからな」
その姿を見て、色の毒を受けて倒れていた蓮菜はようやく立ち上がり、にやりと笑う。身を挺して体力を消耗させ、後の2人ーー咲恵と智波音に同時攻撃を仕掛けさせると言う作戦が、これほどまでにうまくいくとは……よほど戦闘経験に乏しかったのだろう。
「ふふふ、だったらそうかもですね」
サンがもじもじしつつ、蓮菜を見つめる。見られるごとにゾクゾクとした刺激が走り、身体をくゆらせていく。
「新しいバッドエンドの誕生だ」
蓮菜の一言の後、5人はヒールの音とともにその場から消え去る。
彼らが次にどこへ向かい、犠牲者を出すのか。今は誰も知らない。

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