蝋燭店襲撃 その後

前回
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終盤のヤリたい部分だけををちょろっと書いただけで力尽きた。
引き続きパラフィンちゃんの末路をご覧下さい。


※やっつけあらすじ
欠けたるモノ『モーブ』をけしかけてパラフィンの蝋人形を手に入れた謎の男はあくる日、前触れもなく彼女『
カルナウバ・ラビ・K・パラフィン』の経営する蝋燭店「らび」にやってくる。
からかいが度を過ぎたか、彼女の創りだした首なし蝋人形に囲まれる謎の男。だが彼は蝋化能力を持ったモーブで奮戦、まるで霧のようなつかみ所のない動きで彼女の目の前に近づき、そして――
※ここまであらすじ
「これは楽しませてくれたお礼ってことで」
パキン!
【K】のおでこを突くと、何かが壊れる音が響く。
パキパキパキ……パキキッ!
その音が連鎖し、【K】が動かなくなり、震えだす
「あ、あぁぁ、ぼくの、からだ。これ、なに?」
力が溜まっていただろう髪が、既に真っ白に変色している。
不安に怯える彼女にどう声をかけようか、迷いながらも私は襲いかかってくる首無し蝋人形をいなすのに必死だ。必死なフリをする。
「僕、なに、だれだっけ? ここ、わたし、あれ、えーと……」
肌も手も足も、真っ白になり、体の境界がわからなくなる。
アホ毛に炎が灯り、それが勢い良く燃え上がる。
「ハァ、ハァ……君の力は何なのかな? そしたらやりたい事も判るはずさ」
首なし蝋人形が動かなくなり、ようやく声をかける。
全く、激しい運動は苦手だ……だけどこの姿を見てるだけで報われる。
何せ彼女の能力以外の要素を『欠損した』のだ、するとどうなるか。
「……」
しばし考える間でさえ変貌は続く。体だけでなく、服も蝋となってさながらカラー蝋人形とかしつつある【K】であったもの。
もはや体の内も外も、欠損によって自身の能力が暴走して蝋になっていく。
全て蝋と化し、思考もまた固まっていく。もはや彼女は人間ではなく、知性を持った魔法と言っても差し支えない。
「……そうね」
そう、蝋だ。あらゆる物を蝋に変えたい。
商品が商品を招いたって、いいんだ。そんな魔法なんだ。
そう考えながら、【K】の思考は蝋のように真っ白に固まっていく。
「生ける魔法の出来上がり、名前は……」
店内を見回し、思いついたように口を開く
「パラフィーネ。
君はカルナウバ・ラビ・K・パラフィンの名を捨てて、生きている蝋化魔法『パラフィーネ』としてこれからを過ごすんだ」
パキィィン――……。
――その後。
蝋燭店「らび」の店長が変わり、レイアウトも蝋で出来たような真っ白な店内に改装された。
そして同時期に、来た客が次々と消えて行くという怪現象が発生した。
何時ものこと……にしてはあまりに頻度が多くなり、新商品も沢山出たことから次第に【K】が運営していた蝋燭店は怪しまれるようになったという。
「パラフィーネ、お客さんだ」「うん」
パラフィーネと呼ばれた蝋少女、かつて【K】と自称していた店長、カルナウバ・ラビ・K・パラフィンは、その全身を文字通りパラフィンに変えて隙を伺う。
今宵、新たな商品が入荷する。
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・謎の男
『対象を欠損させる』能力を持つ。
素性不明、ただ判ることは邪法を極限までに極めた術師であることは窺い知れる。
セミロングにローブ、そしてアノニマス面。素顔は少年っぽい為、シークレットブーツを履いた10歳未満の少年という表現がよく似合う
物理的な精神的問わず、欠損させることが出来る。
主な使い道は壊れた人間を欠損させ、モーブを生成してけしかけるために使われる。
また、気が乗れば対象の能力以外の全てを欠損させる事で、知性を持った『生きている魔法』を創り出すこともできる。
・蝋少女『パラフィーネ』
【K】が能力以外の全てを欠損させられた結果、自身の肉体が蝋化した姿。
別名「生きている蝋化魔法」
服に至るまで蝋でできており、融解状態でも姿を保てる点は以前の彼女と同じ。
蝋人形の使役はできない。アホ毛の先端に灯る火を消されるとしばらく弱くなる。
ありとあらゆる物を蝋化させることしか頭に無く、お店に来た客を見境なく人型蝋燭に変えている。

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