うちの子が鼻フックとか顔面いじりとかされる妄想を書いたもの

導入が形にならずに没になっていたもの。

出だしとしてはおそらく『寝てしばらくすると変な夢を見始めた』ってところだと思います。
珍しく状態変化じゃないと思ったらこれなんですよ。

この作品は、株式会社トミーウォーカーのPBW『サイキックハーツ』用のイラストとして、でんねこが作成を依頼したものです。イラストの使用権はでんねこに、著作権は東原史真に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。

ちなみにこれが今回の犠牲者ことうちの子

ぼんやりとした顔の前をフックが下がる。フックは揺れながら位置を変え、鼻にひっかかると徐々に上へと吊り上げていく。

「んううううっ!いっ、ふっ、ふぅっ」持ち上げられ、上に引き上げられれば痛みとともに醜く鼻は変形していく

薫の平坦な鼻が加減よく吊り上げられ、持ち上がった豚鼻になったところで固定される。痛みと羞恥心は極限にまで達し、その状態がキープされる。心臓は激しく高鳴り、口はパクパクと動くばかり。

「っひっ、ぶひっ、ひいっ」引き上げられた鼻から漏れる息。過度の高揚から言葉が出ない。

鏡を見せられれば否応なしに変形した顔を認識することとなり、もはや羞恥のあまり痛いと考えることすら二の次となっていた――が、まだ序の口にすぎない。

手が薫の口を軽く開き、手早く器具を口に入れる。吐き出すことすらままならず、その透明な物体は口に密着させ、さらに押し込む。

「んうっ!?」

勢い余って唇に異物がぶつかり、苦痛の声を上げる。そして、その声を合図にするかのように、透明で、閉口を妨げる異物――開口器はゆっくりと形状を取り戻すように形を戻していく。

薫の小さな口より大きな開口器は形状を取り戻すに連れ、彼女の唇をめくり上げ、4方向から引き上げる。歯茎を丸出しにしてなお、メリメリと引っ張り上げつつも器具は密着していく。鼻は持ち上げられ、口は歯茎を無様にむき出しにされ、面影すら怪しい醜顔に向けられたのは、さらなる鼻フック

「いっ、おぉ、いぃっ」

開口器にひろげられた口元は母音しか出せないほどに発生がままならず、数本の鼻フックは、薫の鼻の横、斜めと捉え、引っ掛ける。藻掻いても笑うばかり。顔の見えない何かは、確かにその腕らしきものを上げ、そして、3方向から引っ張りあげられた鼻腔は大きく拡がりだす。

ただでさえ上へと引き上げられた鼻は豚のような悲惨な有り様だったが、まだ可愛げはあった。しかし開口器、そして3方向からのフックが加わり、今や巨大な鼻穴を晒し、強制開口によって唇をめくれ上がらせ、歯茎すら丸出しにされた彼女は面影すらあれど、直視してみようとは思えぬほど強烈なインパクトを与える、まさに『顔面崩壊』というべき有り様となっていた。

闇の中、光が一瞬だけ明滅し、消えていく。その後、闇の腕が差し出したモノに、薫は多少高揚した。しかし、それ以上の恐怖と、羞恥が苛み、目をつむり顔も隠そうとする。

だが、これが却って仇となった。フックは容赦なくまぶたに張り付き、見開かせる。まるで拷問と言わんばかりに目の開閉すら禁じられた彼女は、自分の写っている写真を直視するしかなかった。

また明滅する。新しく写真が撮られているのだろうか。自分の醜顔写真を見続けていると、次第に司会がぼやけていく、ぼやけて、そして……。

ふと、目が覚める。そして顔を撫でまわす。特に異常はない。そのまま姿見を見ても、鼻の穴が大きくなっていたり、醜い顔にねじ曲げられていたりもない。

「……気のせい?」

シャドウの仕業かもしれない。しかし、それを考えるには、今の薫は非常に眠たくてたまらなかった。

今宵、午前4時。学校まであと4時間。薫はその四時間をムダにすることなく、ベッドに再び潜り込む。

それが、本当に正しい判断かどうかも、わからぬまま――。

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