美影と怪しいアイテム

「さーて、今日も今日とて出口を探そうかねぇ」
 美影は今日も今日とてダンジョンに潜っていた。トラブルで入り口の塞がったダンジョンに巻き込まれることにはもう慣れたが、それはそれとしてダンジョンにお宝があればいただく。それぐらいしてもバチは当たらないだろう。

 それが鈴華美影、鏡都の有能な退魔師である。

 モンスターを蹴散らし、分かれ道を探っていく内にコツも掴んでき始め、行き止まりを優先的に選ぶようになる。
「何か妙やと思ったら……それっと」
 錫杖で壁を突けば、あっさり壊れてしまう。どうやらこのダンジョンは人を騙すことに特化しているようで、いっそう気合が入る。
「うっかり騙されんようにせんと!」

 そんな美影だったが、しばらく進むと目の前に宝箱がいくつか現れる。
「こういう場合はミミックが混じっとる可能性が高いからな」
 慌てない、焦らない。札を取り、1枚ずつ張っていく。張った札は退魔の効果を持ち、邪悪なものには攻撃を仕掛ける力を持っている。これを使えばミミックなど恐れるに足らず――と思ったが、張っても反応しなかった。

「あれ、てことはもしかしたら、これ全部お宝か?」
 恐る恐る札を剥がし、どれから開けようか品定めをする美影。全部で3つ。右、真ん中、左、どれも良さそうに見えるが……その中でも真ん中に目が惹かれてしまう。

「何かこういう場合って真ん中が良さそう……よし、思い切って開けよう!」
 美影が思い切って宝箱を開けると、そこには黒いひものようなものがついている首輪が入っていた。先端にはフックが付いていて、いかにも怪しい道具であることは明白だ。
「…………」
 美影は投げ捨てようと思った、が、手が動かない。

「(な、なんや、この『つけなきゃいけない』って感じは。からだが、思うよう動かない……)」
 まさか、呪いがかかっていたのか。美影は頭の中で対策を練ろうとするも、体が思うように動かない。

 そのまま、美影は鼻の穴にフックを通し、自ら引っ張り上げた。
「ふぐぅ!!?」
 釣り上げられる痛みが脳髄を叩く。そのまま首輪をつけると、キープされた痛みが徐々に快感へと変わっていく。

「(なんなんこれ、は、早く解除しないと……いや……)」
 美影はそのままフラフラと、右の宝箱を開ける。
「(これは解除しなくてもええんやないかな……?)」
 入っていたのはタトゥーシール。いわゆる『淫紋』と呼ばれる、呪いを効率よく引き寄せるためのアイテムだ。特に淫紋は快楽を与える呪いに優れていて――。

「(は、張っちゃダメ、ダメなのに、いひぃぃぃぃっ!!vvv)」
 ぺたりと下腹部に貼り付けると、怪しく光って肌に定着していく。それと同時に鼻をつく快楽がさらに強まり、下半身がうずき、足も震えだす。

「(あ、あ、あ、したい、めっちゃオナニーしたい!でもあかん、こんなところで――!)」
 しかし、その足取りはフラフラと、操られるように最後の宝箱に向かっていく。
「(もう我慢なんてできへん、何、何が入っている?)」
 宝箱をあけると、そこに入っていたのは、一本のマジック。それを見た瞬間、美影の理性はぷつりと途切れた。

「はぁぁぁっ、いいっ!まじっくでおにゃにーいいっ!!vv」
 下着をずらし、立ったまま腰と手を上下させ、マジックを下の穴に抜き差しする美影。愛液がダンジョンの床を濡らし、ダンジョン全体が鮮やかに輝いていることも知らず、舌すら腰を振り、膣壁をえぐる。

「おっv おぉぉっ、いいっ、バカになるっバカににゃるっv」
 白目を剥き、下を出しながら腰を振るさまは無様ささえあり、理系の欠片も感じない。髪を振り乱し、どんどん上り詰めていくごとに腰の上下運動は加速していき、高まっていく。そして、視界さえも真っ白になるほどの衝撃が、頭を、視界を包んでいく。
「ああああああっ、いひぃぃぃぃvvv」
「いくっ、いくいくいくぅっーーーっっvvv」

 絶頂とともに愛液を噴射し、床とマジックを濡らしていく美影。そのまま意識を失い、真っ白だった視界は黒く暗転していった――。

「――えさま、姉さま!」
 声が聞こえる。意識はまだ薄っすらと黒いが、聞き覚えのある声。
「姉さま、一体何があったのですか!? この姿は一体……」
 猫乃だ。妹分の猫乃だ。ということは外に戻ってきたのだろう。
「う、うぅぅ……ここは、神社?」
「ですよ、体中に落書きされているし、誰かに襲われたのですか?」
 そう言われ、渡された鏡を見て、意識がピンクに染まった。

「……」
「姉さま?」
 書かれていた『敗北おまんこ』『オナ狂い退魔師』『肉便器志望』といった文字には、美影にしか効かない催淫の呪いが含まれていたのだから。

「ふ、ふふふ、ねこのぉ、一緒に気持ちよくなろぉ?」
 そういい、下の穴をくちゅり、と弄る。しばらく弄ると、引っかかるものが指に障る。
「これで、いっぱいあんたに似合う文字を書いたげるわ」
 ズル、と引き出されたのは、先端がピンク色のマジック。それは強烈な呪いが秘められていたかのように、美影のおまんこから瘴気を吹き出しつつ引き出された。

「あわわわ……だ、ダメです! そんなのだめですーっ!」
 猫乃は慌てて逃げ出し、淫気に狂った美影は猫乃を追いかけた。
 そしてしばらくして美影の母親こと沙雪と遭遇し、美影は呪いごとふっとばされたという。


 ~if~
 ダンジョンの最奥部、3つの宝箱がある。その1つに退魔師のような格好のペンが転がっていた。
 鼻フックをした退魔師の頭を押すと、下の穴からペンが出るという悪趣味なアイテムだが、微かに邪気を放っていて、神聖な力が邪気の拡散を抑え込んでいるようだ。
 おそらくこのペンで人の体に何かしら書き込めば、思い通りに言うことを聞いてくれるに違いない。
 そんな呪いのアイテムは、新たな持ち主を待つべく空中に浮き、そのまま宝箱に収まった。

 残念! 美影の冒険はここで終わってしまった!

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